デジタルマーケティング
2011/06/01 【全5回配信】デジタル戦略によって実現される、顧客経験価値の創造【5】エクスペリエンスデザイン実現のための方法論 - ペルソナの活用事例

エクスペリエンスデザイン実現のための主要な手法の一つとしてペルソナが活用されるケースが増えています。今回のコラムでは、ペルソナ活用の考え方を説明するとともにその活用事例を紹介します。
ペルソナとは
ペルソナに関する代表的書籍である『ペルソナ戦略』(ジョンS.プルーイット、タマラ・アドリン著)において、ペルソナは以下のように定義されています。(同書は日本におけるペルソナブームのきっかけの一つとなった書籍です。)
"「ペルソナ」は、実在する人々についての明確で具体的なデータをもとに作り上げられた架空の人物であり、ユーザーが本当に使いたいと感じる製品の実現をサポートするためのツールであり、手法である。
データをもとにペルソナを作成し、製品開発の全プロセスにおいてペルソナを使用することにより、次のことが達成できる。
・ 製品の使い勝手、実用性、魅力を高める。
・ 製品開発のプロセスを合理化し、プロダクト・チームの協調性を高める。
・ 企業が自社と顧客の両方にメリットのある判断を下せるようにする。
・ 企業の純利益を高める。"
Wikipediaによるとペルソナ手法は、1990年代後半にAlan Cooperを中心に技術的に確立され、普及してきました。(日本においては、2006年頃からメディアで取り上げられ始めました。)
Alan Cooperは、『About Face3 The Essential of Interaction Design』(日本語訳版『About Face3インタラクションデザインの極意』)でインタラクションデザインのためのゴールダイレクテッドプロセスにおけるユーザーモデリングの手法としてペルソナを位置づけています。Alan Cooperが、ゴールダイレクテッドデザインの一手法として、デザインプロセスの中に位置づけているように、ペルソナ策定を単独のタスクとして捉えるのではなく、その目的を明確にした上で、一連のデザインプロセスの中で捉えていくことが重要です。
2011/05/25 【全5回配信】デジタル戦略によって実現される、顧客経験価値の創造【4】モバイルエクスペリエンスデザインの最新動向

モバイルインターネットの動向
Morgan Stanleyの調査によると、モバイルインターネットが急速な成長過程にあるとともに、以下のように企業のデジタル戦略に対して非常に大きなインパクトを与えつつあります。
- アップルのiPhone+iTouch+iPadの利用者数が、NTTドコモのiモード、AOL、ネットスケープ等、過去、サービスの立ち上げ期において急成長した代表的サービスをはるかに上回るスピードで増加しつつあります。
- 2012年には、スマートフォンの出荷台数が、PCの出荷台数を上回ると予測されています。
- mixiのモバイルでのページビューのウェイトが、2006年の17%(83%がデスクトップでのページビュー)から、2010年には84%となっています。
- モバイルが、ロケーションベースサービス、透明度の高い価格設定、ディスカウント等によりEコマースに革命を起こしています。
- モバイルの接続性が、手のひらから、あらゆることを“より速く”、“より良く”、“より安く”新しい方法で行っていくことを加速しています。
2011/05/11 【全5回配信】デジタル戦略によって実現される、顧客経験価値の創造【3】事例(無印良品・IBM)から見るソーシャルメディアを活用したエクスペリエンスデザインの潮流
第1回コラムでは、エクスペリエンスデザインの考え方と、スターバックスコーヒーの事例を通じてエクスペリエンスデザイン戦略について説明しました。前回の第2回コラムでは、ルイヴィトンとユニクロの事例を活用しながら、エクスペリエンスデザイン戦略の一つの類型としてのエクスペリエンス・ポートフォリオ・デザイン戦略について説明しました。今回のコラムでは、無印良品とIBMの事例をもとにソーシャルメディアを活用したエクスペリエンスデザインの潮流について説明します。
価値共創とは
C.K.PrahaladとVenkat Ramaswamyは、2004年に発刊された『The Future of Competition』(日本語訳版『価値共創の未来へ-顧客と企業のCo-Creation』)において、「価値共創」の概念を提起しています。(以下参照)
“ここでの価値共創とは、個々の消費者と有意義な(その消費者にとって有意義な)交流をし、その交流をとおして価値を生み出していく営みなのだ。製品やサービスでなく、共創経験を基盤として、各人にユニークな価値をもたらす。”
“企業が何百万人もの消費者とのあいだで多彩な共創経験を生み出すための、枠組みが求められているのだ。この枠組みを経験環境と呼ぶことにする。”
“経験環境は、少なくとも以下の条件を満たさなくてはならない。
・消費者の必要に応じて、特定の状況のもとで特定の時間に、経験を共創する機会を提供できる。
・洗練度の高い積極的な人々から洗練度が低く受け身の人々まで、多種多様な消費者に対応する。
・積極的で賢明な人々を含めて、すべての消費者が常に共創を望んでいるわけではない、という点をこころがけておく。受け身で消費だけしているのが心地よい人々もいるのだ。
・新技術によって可能となる新しい機会に目を留め、その実現を目指す。
・消費者コミュニティの参加を歓迎する。
・消費者を理屈で動かすだけでなく、感情にも訴えかける。
・共創経験の技術面だけでなく、組織や人間関係も理解する。”
(日本語訳版『価値共創の未来へ-顧客と企業のCo-Creation』より)
2011/04/27 【全5回配信】デジタル戦略によって実現される、顧客経験価値の創造 【2】事例(ルイヴィトン・ユニクロ)から見るエクスペリエンス・ポートフォリオ戦略の重要ポイント
前回の第1回コラムでは、エクスペリエンスデザインの考え方と、スターバックスコーヒーの事例を通じてエクスペリエンスデザイン戦略について説明しました。
今回のコラムでは、ルイヴィトンとユニクロの事例を活用しながら、エクスペリエンスデザイン戦略についてさらに詳しく解説するとともに、特に、エクスペリエンスデザイン戦略の一つの類型としてのエクスペリエンス・ポートフォリオ・デザイン戦略について説明します。

エクスペリエンスデザイン戦略のタイプ
エクスペリエンスデザイン戦略は、以下の2つの要素によりタイプ分けされます。「エクスペリエンスの提供レイヤー」と「エクスペリエンスの性格」です。
「エクスペリエンスの提供レイヤー」(下図縦軸)は、個別のカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)のレイヤーとそれらの集積による総合的カスタマーエクスペリエンスのレイヤーとに分けられます。
「エクスペリエンスの性格」(下図横軸)は、リアルのエクスペリエンスかデジタルのエクスペリエンスに区別されます。
上記の2つの要素の組み合わせにより、以下の3つの領域のエクスペリエンスデザイン戦略が考えられます。
2011/04/21 【全5回配信】デジタル戦略によって実現される、顧客経験価値の創造【1】事例(スターバックスコーヒー)から読み取る進化型エクスペリエンスデザインとは?

スターバックスコーヒーのミッションステートメント
さらに、ミッションステートメントに続く6つの原則の一つ Our Customers において以下のように表現しています。

