オフショア開発でベトナムが選ばれる理由と活用時の課題
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世界的なITエンジニア不足のなか、近年日本企業ではベトナムオフショア開発の活用が盛んになっています。本記事ではオフショア開発が活用される理由とともに、ベトナムがオフショア開発先として選ばれている理由、またベトナムでオフショア開発を活用する場合の課題や将来展望について解説します。
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オフショア開発が活用される理由
オフショア開発とは自国ではなく海外の企業にソフトウェア開発などを委託することで、大きく3つの理由があります。
・開発リソースの確保
特にエンジニアは採用競争が激化しており、国内での人材確保が難しくなっています。体制の安定化のため海外も含めて人材を確保する必要があります。
・コスト削減
人材不足やDX等のニーズ増加を背景に、開発に関するコストは上昇する傾向にあります。人件費が安い海外に開発を委託することで開発コストを削減することが可能です。
・開発スピード
海外との時差を使って、国内・海外で24時間開発が可能な体制を作ることができれば開発スピードを向上させることができます。
ベトナムがオフショア開発先として選ばれている理由
近年、日本企業の間でベトナムオフショア開発が盛んになっています。コスト削減の他にもベトナムがオフショア開発先として選ばれる理由があります。
豊富なIT人材と高いスキル
ベトナム政府はIT産業育成に力を入れており、大学や専門学校はもちろん中学生からIT科目の授業を取り入れています。その結果、ベトナムには多くの優秀なIT人材が輩出されており、2023年には国内に約53万人のIT人材がいると推計されています。※
さらに、ベトナムのIT人材は、日本企業とのプロジェクト経験も豊富で、日本語能力の高い人材も多く存在します。
日本との地理的・時間的距離の近さ
日本とベトナムの時差は2時間と小さく、ビジネスにおけるコミュニケーションは比較的取りやすいです。そのため、開発の進捗状況をこまめに確認したり、指示を出したりすることができます。
またベトナムの首都であるハノイや最大都市であるホーチミンと東京を結ぶ直行便が定期的にあり、東京からの往路は6〜7時間、復路は5〜6時間と物理的にも近いため、行き来がしやすい国でもあります。
コストパフォーマンスの高さ
ベトナムの人件費が日本の50〜70%程度であるだけでなく、ベトナム政府はベトナムに進出する外資系IT企業に対して、免税・減税施策なども行っており、オフショア開発企業の進出も活発化しています。
これらの理由から、ベトナムはオフショア開発先として非常に魅力的な国と言えます。豊富なIT人材、日本との時差の小ささ、安定した政治情勢、コストパフォーマンスの高さを活かし、ベトナムオフショア開発を成功させることで、企業の競争力強化に繋げることができます。
ベトナムオフショア開発における注意点と対策
ベトナムオフショア開発は、コスト削減や豊富なIT人材といった魅力的なメリットがある一方で、注意すべき点も存在します。ベトナムオフショア開発における注意点と、それぞれ解決するためのポイントについて解説します。
言語の違いによるコミュニケーションの相違を防ぐ
ベトナム語と日本語は全く異なる言語であり、意思疎通の際に誤解が生じる可能性があります。日本語対応可能な開発会社を選ぶことはもちろん、事前に開発要件を明確に定義し、双方向で十分なコミュニケーションを取ることが必要不可欠です。また体制にはブリッジSEを入れるなど、進捗に問題がある際にすぐに共有・解決できる仕組みを作ることが重要です。
文化の違いによるギャップを認識する
日本とベトナムには文化的な違いがあり、ビジネス慣行も異なる部分があります。例えば、ベトナムでは意思決定に時間がかかる場合があるため、スケジュール設定には余裕を持つ必要があります。また、ベトナム人は勤勉で真面目ですが、日本の厳しい残業文化には慣れていない場合もあります。互いの文化を尊重した適切なコミュニケーションが求められます。
品質管理を適切に行える体制を構築する
上記のようにベトナムと日本での言語や文化の違いを背景として、オフショア開発では品質管理が難しいという課題があります。開発会社側が品質管理体制を構築していることを確認し、定期的な監査やテスト工程をしっかり行うことも重要です。
これらの注意点に留意することで、ベトナムオフショア開発を成功に導き、コスト削減や開発スピード向上といったメリットを最大限に享受することができます。
ベトナムにおけるオフショア開発の将来展望
ベトナムのオフショア開発市場は、今後も拡大していくと予測されています。
IT産業育成政策促進に関しては近年でも大きな動きがありました。ベトナム政府は2020年に「2025年までの国家デジタルトランスフォーメーション(DX)プログラムおよび2030年までの方針」という計画を承認しています。計画の内容は、ベトナムが2030年までに高度なデジタル国家になることを目指すもので、行政手続きやデータの管理のデジタル化による効率化だけでなく、民間企業の経営や人々の生活を改善させる改革を行うというものです。
こうした政府のIT産業育成政策促進の現状や、ベトナムの若年層比率の上昇、インターネットインフラの整備状況をみてもベトナムオフショア開発の将来性は高く、継続的な体制構築に向いていると考えられます。
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ベトナムオフショア開発には、人件費削減、豊富なIT人材、日本との時差の小ささなど、多くの利点があります。ベトナム政府によるIT産業育成政策の推進や、ベトナムの人口増加などにより、ベトナムオフショア開発市場は今後も拡大していくと予測されます。
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この記事の著者
マイクロウェーブ マーケティングチーム
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