【新潮流】イマーシブメディア、リアルとバーチャルを融合する次世代のユーザー体験
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イマーシブ・メディアは近年IT、マーケティング業界から注目を集める、新たなメディアのあり方です。没入感(イマーシブ)やリアリティのある体験をユーザーに届けるメディアを示しますが、その種類は様々で、用いるデバイスも異なります。VR、AR、MRはその一部で、耳にしているけれどそれぞれ何を指すのかなど知らない部分も多いのではないでしょうか。
エンタメ業界以外にも医療機関、教育機関などで活用されるイマーシブメディア。そもそもイマーシブメディアとはなんなのか、そして近年注目を集めるようになった経緯やその種類について紹介していきます。
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イマーシブメディアとは?
イマーシブメディアについて
イマーシブメディアにおける「イマーシブ(immersive)」は、没入感を意味する言葉。目の前に存在しないものを現実で体験しているかのような「没入感」のある、インタラクティブな体験を提供するメディアを、「イマーシブメディア」と呼びます。
これまで画面上で映像を見るだけだった行為が映像の中にいるような体験へと変わる仮想現実(VR)や、オンラインでのショッピングがその場に商品があるような実体の伴った体験に変わる拡張現実(AR) など、従来のメディアと比べて強烈な印象をユーザーに与えることを可能にします。
従来のメディアとの違い
ユーザーとコンテンツが相互作用できるという点において、イマーシブメディアは従来のメディアと大きく異なります。
従来のメディアにおいて、ユーザーは受動的にならざるを得ませんでした。イマーシブメディアはコンテンツ内にユーザーがコントロール可能な部分を作ることで、インタラクティブな体験を提供することができます。映画であればすでに決められた物語を決められた画角からしか見ることができませんが、VRでは仮想世界の中を探検してその場にあるものに触れることも物語の流れを変えることも可能になります。
従来のメディアがエンタメや情報、教育に貢献するものであったのに対して、イマーシブメディアはそのインタラクティブ性の高さによって教育やトレーニング、セラピーなどより実践が必要とされる分野にも活用されています。
テレビ、ラジオなど一般的な機器を用いる従来のメディアとは異なり、イマーシブメディアはVRヘッドセットや高度なコンピュータシステムなどコンテンツを表示するデバイスや作成する技術を必要としています。現状デバイスの所有率は高くないものの、Apple Vision Proの登場によって数年後には一般的な使用が行われると想定されています。
VR、AR、MR、XRとは?
イマーシブメディアの形態は大きく分けて3つあります。①ヘッドセットを使って360度見渡せて動き回ることができるシミュレーション環境を作り出す仮想現実(=VR)②スマートフォンやスマートグラスを使って現実世界にデジタル情報を重ね合わせる拡張現実(=AR)③物理的なオブジェクトとデジタルオブジェクトが共存し、ユーザーがリアルタイムでデジタルオブジェクトを操作することができる複合現実(=MR)の三つ。全てを包括した名称が拡張現実(=XR)です。
VRについて
VRは「Virtual Reality=仮想現実」の略称。ユーザーが現実に近い方法で空間を探索し、操作することができる3次元環境のことをさします。ヘッドセットやトレッドミル、特殊なグローブなどのシステムを、ユーザーの感覚を多角的に刺激するため用います。視覚、聴覚だけでなく重力や傾きに対するバランス感覚や温度や痛覚などの感覚を刺激するものも存在します。
ゲームやライブ映像などのエンターテイメント業界だけでなく、医療や教育事業の実習など幅広いシーンでVRが使われています。
ARについて
ARは「Augmented Reality=拡張現実」の略称。スマートフォンやスマートグラスを通して、現実の光景にCG映像などを合成して現実の中に仮想空間が実存するかのように見せる技術をさします。ARの技術にはGPSの情報を取得したロケーションベースARと、カメラなどから得た映像やマーカー情報を通じてデジタル情報を表示させるビジョンベースARの2種類があり用途によって技術が使い分けられます。
近年ではスマホアプリを用いたケースが多く、地図アプリやSnapchatなどソーシャルメディアのフィルター、購入検討のため家具を配置するアプリなどにAR技術が使われています。
MRについて
MRは「Mixed Reality=複合現実」の略称。デバイスが3Dスキャンした現実空間に、仮想オブジェクトであるホログラムを投影する技術をさします。一般的にヘッドマウントディスプレイを装着して体験され、オブジェクトはユーザーの動きに連動するため歩き回りながら確認したり、拡大・縮小・回転の操作を行うこともできます。
商品の実物をユーザーが実際に操作できることからMRはビジネスシーンでの活用が進んでいます。MRを用いた乗車体験はすでに存在しており、購入希望者は実物と同じサイズの車を視認し、車内に座ることも可能です。
なぜ今イマーシブメディアなのか
イマーシブテクノロジーの進化
VR、AR、MRといったイマーシブテクノロジーの国内市場規模は、2022年時点での1825億円からさらに拡大し2026年度には1兆42億円にまで到達するのではないかと、総務省が発表した「情報通信分野の現状と課題」に記されています。※
ファッション業界やインテリア業界ではARを導入し、試着や試し置きをアプリ内で行うことが可能になっています。こうした大手企業だけでなく、小規模ビジネスでもイマーシブメディアは活用されつつあります。
イマーシブメディアの活用には技術的なハードルが長らくありましたが、市場の規模拡大に先立って導入のハードルも下がりつつあります。専門的な知識がなくてもVR、AR、MRを導入できる、ノーコードの作成サービスがすでにローンチされており、今後の市場拡大は確実なものとなりそうです。
5Gの普及
5Gの存在によりビデオサービスのユーザーエクスペリエンスは圧倒的に向上しています。画像解像度が高解像度の720p、1080pから4K、8Kに進化し、3次元のビデオ映像が利用可能に。5Gの普及が進むにつれイマーシブメディアのサービスを提供する環境が整いつつあります。
高帯域幅かつ低遅延な5Gの技術は、新しい通信メディアを可能にし、情報や画像の伝達においてユーザーエクスペリエンスを向上させると考えられます。UHDに加え、VRビデオやAR技術を使った体験といった新しいメディアのあり方を5Gは支えていくと言われています。
実際の普及率に関しても2022年度末時点で総務省が発表した「日本全国の5Gネットワーク環境の整備状況」によれば、全国の5G人口カバー率は96.6%を達成しているとのこと。通信技術の向上と普及に伴い、イマーシブメディアの存在もより大きなものになっていくことが予想されます。※
イマーシブディスプレイ・空中映像技術のご提案
株式会社マイクロウェーブでは、VRゴーグルやスクリーンを必要としないVR技術である空中結像技術と、AR領域の一つであるリアルアバター技術を用いたコンテンツ制作支援を提供しています。
スクリーンを使わずにバーチャルの演者を投影する新たな観劇体験の提示や、ユーザーに先駆的なイメージを与える空中タッチパネルの設置、リアリティあるアバターの作成など。エンターテイメント業界に限らず、教育や医療への技術活用も可能です。まずはご気軽にご相談ください。
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この記事の著者
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