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2017.03.01

「働く人にこころのケアを」― IT技術を活用したメンタルヘルスケアサービス&ツールまとめ

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近年、働く人のこころの健康、メンタルヘルスにまつわる不祥事が後を絶たず、社会問題として大きな関心が寄せられています。各業界で対策について議論している中、政府も積極的にメンタルヘルスケアの取り組みに乗り出しています。個人のメンタルヘルス不調の防止と職場環境の改善を目指す「ストレスチェック制度」が新たに施行され、2015年12月から対象となる事業所では年1回実施することが義務付けられました。皆さまの中にもストレスの状況に関する検査を受けた方が多いのではないでしょうか。

ストレスチェック制度とは?

ストレスチェックとは、ストレスに関する質問に個人が回答し、その回答結果を集計・分析することでストレス状態を調べる検査のことです。「労働安全衛生法」の一部改正により、従業員数が50人以上の事業所では年1回のストレスチェックの実施が義務化されています。

ストレスチェックは主に「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3つの領域に分かれており、この検査を受けることで、個人が自らのストレス状態を把握して対処したり、高ストレス状態にある人は医師の面談や職場の措置を受けたりすることで、メンタルヘルス不調のリスクを軽減させることが目的となっています。

「ストレスチェック制度」は個人や組織に気付きを与えてくれる1つのきっかけになると期待されています。しかし一方、メドピア株式会社が医師約4000名を対象に実施したアンケートによれば、医師の6割以上がストレスチェック制度について「まったく効果はない」「どちらかと言えば効果はない」といった否定的な考えを持っていることが明らかになりました。メンタルヘルスの不調を未然に防ぐ「一次予防」になっていないという意見や、本当に対処が必要な人の予防・治療策としては効果的ではないといった意見も上がっており、ストレスチェックだけではメンタルヘルスケアには不十分という懸念もあり、まだまだ議論と工夫が必要かと思われます。

「メンタルヘルスケア×IT」のサービス&ツール

フィジカル(からだ)とは異なり、メンタル(こころ)の不調は目に見えないため、周囲はもちろん、自身でさえ気付きにくいという特徴もあり、対策が難しいのが実情です。まずは、少しでも異変を感じたら意識的に整えたり、「あれ?」となる前に日頃から気をつけたりするところから心掛けると良いのかもしれません。

「気軽にできる」ということで、最近では日々の生活にメンタルヘルスケアを取り入れられる様々なIT系のサービスやツールが世に出ています。いくつかピックアップしてご紹介します。

診断系

ストレスチェックと同様、質問に回答することで自分のこころの状態を知ることができるサービスがあります。

メンタルヘルス診断(アプリ)

いくつかの質問の回答からうつ病や不眠症などの診断ができ、点数形式で結果が表示されます。実際に精神科や診療内科で用いられているものが元になっています。

記録系

自分の状態を記録し、その記録を客観的に見てみる、という発想のサービスです。「認知行動療法」(※)といううつ病の治療法もあるように、記録することは基本的ではありながら実は有効なメンタル不調の対策方法のようです。

U2plus(Webサービス)

日々のできたこと・楽しめたことを記録できます。また、辛いことがあったときに出来事と自分の考え方を書き込むコラム機能もあり、メンタルヘルス不調を整理して客観的に見つめ直すことができます。また、他のユーザーとの交流機能も実装されています。

ココロログ(アプリ)

1日単位でその日の気分、体調、食欲やできたこと(掃除、買い物、仕事など)を選択メニューから簡単に記録できます。気分や行動との関連性が一目瞭然です。

計測系

簡単な計測であれば、大型の計測機械でなく手元のスマートフォンやウェアラブルデバイスで手軽に計測できる時代です。身近な端末を活用したサービスも多数登場しています。

ストレススキャン(アプリ)

スマートフォンのカメラに2分間指を当てるだけで、その時のストレス指数を測定できるアプリです。心拍の波形を分析して自律神経のバランスを解析するという心拍変動解析の技術が用いられているそうです。

脳タコ(アプリ)

用意されたテキストを10秒間朗読すると、その時のストレス値を測定できるアプリです。測定すればするほどストレス平均値が明確になり、状況に応じたストレスへの影響度合いを確認することができます。国立研究開発法人電子航法研究所が開発した音声分析エンジンが用いられています。

ZENTA/ゼンタ(ウェアラブルデバイス)

イギリスのメーカーが2017年に販売予定のウェアラブル型メンタルヘルストラッカーです。身体の活動、睡眠の質、呼吸パターン、心拍などの計測・分析から、日々の習慣や行動とストレス、幸福度といったメンタルの状態との関連性を示してくれます。

相談・カウンセリング系

わざわざ病院に行ってカウンセリングを受けるのは気が重いものです。IT技術を活用し、実際に対面しなくても手軽に相談できるのがこれらのサービスのポイントです。

cotree(Webサービス)

自分の専属カウンセラーやコーチにメッセージやスカイプで相談ができるサービスです。目標を設定して行動や思考パターン変えていくサポートが受けられます。

ケアスル(アプリ)

不安や悩みを投稿し、カウンセラーに相談したり登録ユーザーに質問したりすることができるアプリです。

Reme(Webサービス)

臨床心理士や精神保健福祉士などのメンタルヘルスの専門家にサイト上から匿名で相談ができるサービスです。メンタルヘルス不調で悩んでいる人だけでなく、潜在対象者や当事者の家族などにも利用されています。

セラピー系

癒やし効果を通じてメンタルヘルスの状況を改善するアプローチです。

パロ(ロボット)

アザラシの赤ちゃん型のロボットで、複数のセンサーや人工知能の働きから人間の呼びかけに反応します。「世界でもっともセラピー効果があるロボット」としてギネスブックにも認定されているそうです。

寝たまんまヨガ(アプリ)

ヨガスタジオのインストラクターの音声と音楽と共にベッドの上で寝たままヨガができ、リラックス効果が期待できます。

企業内におけるメンタルヘルスケア

メンタルヘルスは個人レベルでのケアも重要ですが、一方、個人が所属している組織によるケアも欠かせません。「健康経営」という言葉も一般的になっているように、働く人の健康管理の意識を組織としてきちんと持つことがますます重要になってきています。そうした中、企業内で使える社員のメンタルヘルス管理サービスも登場し始めています。

じぶん予報(アプリ)

社員は毎日音声を入力することで、その日の気分状態を計測できます。気分と天候情報を合わせることで、天候に応じた気分の変動を予報してくれます。上司はチームメンバーの気分の推移を把握することも可能になります。音声解析には、数万人の音声データベースを元にしたスマートメディカル社開発の解析機能が用いられているそうです。

ウィティパーソナルアシスタント(アプリ)

ストレスチェックから社員の健康相談まで実施できるアプリです。健康相談には専門家だけでなく、人工知能技術を活用したAIキャラクターも登場し、質問を回答してくれます。

まとめ

ストレスチェック義務化の動きの背景にあるのは、働く人のこころのケアに対する関心の高まりがあります。そして、個人が自分自身をケアするセルフケアだけでなく、組織として従業員のこころをケアする流れが出てきているのは興味深い点です。

今後セルフケアはもちろん、組織レベルの健康管理への取り組みと、それらを支援するサービスの展開はますます活発になっていくのでしょう。

※「現実の受け取り方」や「ものの見方」を認知といいますが、認知に働きかけて、心のストレスを軽くしていく治療法を「認知療法・認知行動療法」といいます。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/04.pdf

■参考文献
・厚生労働省「ストレスチェック制度 導入マニュアル」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150709-1.pdf
・厚生労働省「ストレスチェック制度リーフレット」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150511-1.pdf
・メドピア株式会社「-MedPeer会員医師へのアンケート調査-「ストレスチェック制度はメンタルヘルスの⼀次予防に効果があるか?」医師の6割以上が「効果はない」と回答」
https://medpeer.co.jp/press/_cms_dir/wp-content/uploads/2016/08/Posting_20160816.pdf

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