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コラム

2021.11.03

ECビジネス成功のセオリー_Vol.1 ~ビジネスモデル・タイプ・業務・機能~

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あらゆる産業でオンライン化が進む中、ECサイト構築・リニューアルを検討する企業が増えています。
企業のDX成功事例においても、ECサイトを軸にAIや新技術を取り入れたサービスの付加価値向上・売上向上をはじめ、新たなコミュニケーション基盤の実現事例などが多く見受けられます。
BtoC・BtoBを問わない有効な商取引モデルとして、ECビジネスの飛躍が大いに期待されています。

1.ECのビジネスモデル

BtoC(Business to Consumer)

企業と個人(生活者)との商取引を指します。企業が販売する商品・サービスを個人が購入する最も身近な形態です。
個人がAmazonで本を購入したり、アパレルのECサイトで洋服を購入するといった商取引が「BtoC」に該当します。

BtoB(Business to Business)

企業と企業との商取引を指します。企業がPCメーカーからPCを購入したり、部品メーカーから自社製品の部品を購入するなど、企業が販売する商品・サービスを企業が購入する取引が「BtoB」に該当します。
BtoCと比較して、取引単価が大きいBtoBのEC市場規模はBtoCの約20倍になります。

CtoC(Consumer to Consumer)

個人(生活者)と個人との商取引を指します。個人が出品した商品を別の個人がオークションサイトで購入したり、個人がフリマアプリで購入する取引が該当します。
フリマアプリを利用したリユース用途の取引が盛んです。

DtoC(Direct to Consumer)

メーカー企業が販売元(卸売・小売業者)を通さず、個人(生活者)に直接販売する商取引を指します。
メーカー企業が「DtoC」を推進する背景には、販売経路の拡大・顧客データの活用・ユーザーコミュニケーションの強化(LTVの向上)があります。

2.ECサイトのタイプ

ECサイトには様々なタイプがあり、自社ビジネスの飛躍に向けてどのような展開を目指すのかによって適性が変わります。
オンライン・オフラインの両面で、あらゆる顧客接点を有効活用する「オムニチャネル型」、Amazonや楽天市場のように複数店舗が出店する「ショッピングモール型」、自社の商品・サービスを世界中のユーザーに届ける「越境グローバル型」など、ECサイトの活用でビジネスを進化させることができます。

単店舗型

自社の商品・サービスを販売するために独自に構築したECサイトです。
ECサイトの構築方法は「フルスクラッチ」「パッケージ」「オープンソース」「クラウド」「ASP」など多種多様ですが、それぞれにメリット・デメリットがあり、自社が目指すECサイトの目的・規模・機能によって構築方法が決まります。

BtoB型

企業間取引専用のECサイトを構築することで、営業面での業務効率化・売上向上に貢献します。
BtoBのECサイトには「クローズ型」と「スモールB型」の2種類があり、「クローズ型」は既存取引先専用のサイト、「スモールB型」は新規取引先の獲得を目的とするECサイトになります。

オムニチャネル型

オムニチャネルは、ありとあらゆる販売チャネルを統合し活用することで、売上向上を図るモデルです。
ECサイトと実店舗の顧客情報や在庫情報を統合し一元管理することで、ECサイトと実店舗の区別なく快適なお買いもの(ユーザー体験)を提供します。ニューノーマルの浸透で生活様式の多様化が進む中、より広範囲・より快適なユーザー体験の創出を牽引します。

ショッピングモール型

1つのサイト内に複数の店舗(ブランド)が入るECサイトです。
複数のブランドを保有するメーカー企業では、自社のECサイトをモール型で構築し、複数のブランドごとに店舗を構えるDtoC展開が進んでいます。企業・ブランドのファン全体を巻き込む集客効果で、売上向上を図ることができます。

越境・グローバル型

消費意欲が高く活気のある海外市場に向けて、「Made In Japan」を強みに越境・グローバルサイトを展開する企業が増えています。
日本のショップが取り扱う商品・サービスは、相対的に品質が良い(偽物や粗悪品が少ない)とされる海外ユーザーの評価も強みです。

3.ECサイトの業務

フロント業務

フロント業務では、販促に関わる様々な施策の企画・実施・分析を担います。その内容は、広告出稿、SEO対策、デザイン制作など多岐に渡ります。
サイトの課題、集客の課題など、ユーザーの購買意欲を高めるための様々なPDCAを繰り返します。ECサイトでは、これらの施策が一連して購入に至るため、どの施策もとても重要です。
また、取り扱い商品・サービス、ECサイトの個性によって、業務内容や作業にかける割合が異なり、フロント業務の最適なバランスを見出すことも求められます。

バックエンド業務

バックエンド業務では、継続的な顧客満足度の向上を踏まえ、いかに業務効率化を図るかがポイントになります。
サイトでの受注~発送管理、売上レポート・報告、問い合わせ・クレーム対応、在庫・発注管理など、表側からは見えない業務が数多くあります。発送業務だけでも、送り状手配、出荷指示、配送番号の発番、お客様連絡など、細かな業務が連なって発生します。
また、顧客満足度の向上において、商品発送やお客様対応の敏速化など、すべての面でスムーズかつスピーディな対応が求められます。

4.ECサイトの機能

ECサイト運用の業務効率化を図る上で、必要となる機能は「商品系機能」「会員系機能」「注文系機能」「デザイン機能」「販促系機能」「分析系機能」の5つに分かれます。これらの機能を備えた上で、それぞれの機能が相互に連携することで「ECサイト」として機能します。

商品系機能

  • 商品管理

商品情報を登録・編集する機能で、サイトに表示される商品情報(商品名・画像・価格など)を管理する。

  • 在庫管理

販売可能な商品の在庫、販売・仕入れに伴う在庫の変化(数量)を把握し管理する。

会員系機能

  • 顧客管理

商品を購入した顧客や、会員登録を行った顧客情報を管理する。

  • 問い合わせ管理

問い合わせフォームや電話・FAXなどの、問い合わせ内容を管理する。

  • メール配信

注文・受注・発送などの完了お知らせメール、会員向けメールマガジンなどを配信する。

注文系機能

  • 注文管理

顧客が注文した商品・金額・数量などの注文情報を正確に管理する。

  • 決裁管理

顧客が選択した決済情報(クレジットカード、代引き、銀行振込など)を管理し連携する。

  • 出荷管理

商品出荷に必要な配送先情報などを管理する。

デザイン機能

サイトのデザインや新規ページの追加・更新・変更などを実施する。

販促系機能

ユーザーの販売促進(キャンペーン・クーポン発行・レコメンドなど)を実施する。

分析系機能

ユーザーの購買経緯(デバイス・広告など)やサイト内導線(閲覧ページ)などを把握して売上との相関を分析する。

5.まとめ

あらゆる業界・業種においてEC化が加速しており、ECサイトの果たす役割は日増しに大きくなっています。
これからのビジネスを勝ち抜くためには、オンライン・オフライン両方の顧客行動や購買データを踏まえたサイト構築が不可欠です。
ただ、今後どのようにECビジネスが進化しようとも、ECビジネスの本質が「商取引における顧客満足度」を物差しとすることに変わりありません。
本コラムでは、ビジネスモデル、ECサイトのタイプ、ECサイト特有の業務、必要な機能の具体例について、EC成功のセオリー(基本となる考え方)をご紹介しました。

マイクロウェーブでは、高い顧客満足を生み出すEC成功のセオリーを熟知しており、購買データを資産化し、顧客情報、商品分析、販売効果促進のための各種データ活用、およびユーザーコミュニケーションの検証など、ビジネス貢献度の高いECに特化したプロジェクトを促進しています。

これからECサイトを運営したいというスタートアップから、マルチチャネル・オムニチャネルを見据えた中~大規模リニューアルまで、ECサイト構築についてのご相談は、弊社までお気軽にお問い合わせください。
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この記事の著者

マイクロウェーブ マーケティングチーム

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