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コラム

2022.08.25

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Fenty Beauty』編

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本コラムでは、Rihanna(リアーナ)が2017年に立ち上げた化粧品ブランド『Fenty Beauty』のEC成功事例をピックアップし、そのプロセスの紐解きをもとに、これからの時代のEC成功に向けたヒントをご紹介いたします。

1. Fenty Beautyとは

Fenty Beautyは、カリブ海バルバドス出身の女性歌手Rihanna(リアーナ)が2017年に立ち上げた化粧品ブランドです。
設立後わずか1年で5億5000万ドルを売り上げ、同じように他の有名人が立ち上げた化粧品ブランドの中でも、最も成功した化粧品ブランドとの評価を得ています。

成功の背景には、インスタグラムのフォロワーが1憶人いる影響力(名声)で圧倒的なリーチがあったことは間違いありませんが、Fenty Beautyの成功の理由はそれだけではありません。
リアーナの名声に寄る以上に、唯一無二の化粧品ブランドとしてのロイヤリティ醸成に優れ、世界規模の成功を収めています。

2. Fenty Beautyのマーケティング:Beauty for All

Fenty Beautyは「Beauty for All」のビジョンを掲げ、前例のない独自のマーケ―ティング戦略により、全世界のビューティー業界において、その重要性・存在感を浮き彫りにしました。

リアーナは、国籍や人種、肌色や性別などの違いによって、自由に化粧を楽しむこと(楽しめること)から誰も排除されるべきではない(誰もが自分に合った化粧を楽しめる)ことを明示しており、Beauty for Allのビジョンは、マーケティングミッションとなっています。
商品(ファンデーション)のバリエーションは豊富で、立ち上げ当初40色だったファンデーションカラーは、今では50色まで増えています。

設立当時(2017年)時点で、最も明るい肌色から最も暗い肌まで、ファンデーションを使う誰も(すべての人)に適応できるブランドはありませんでした。Fenty Beautyの誕生は、世界中の多くの女性にとって、自分に相応しいブランド(ファンデーション)の発見であり、自己肯定感を強く感じることができるポジティブな体験だったのです。

今では黒色の肌に見合うファンデーションが一番人気となり、アフリカや中東アジアでの業績が特に好調で、ECによって世界中の女性がいつでも利用できるよう、137国への配送を可能にしました。
Fenty Beautyユーザーのロイヤリティ(ブランドへ反応)は驚異的で、リアーナが思い描いた通り、あらゆる国・文化に属するすべての女性から愛される世界的ビューティーブランドとして認知されています。

3. Fenty Beautyのマーケティング:パーソナライズ

Fenty Beautyでは顧客に合わせて最適化された商品を買ってもらうため、以下の3つのパーソナライズされたサポートを行っています。

Try Shade On

現在、Fenty Beautyではファンデーション、コンシーラー、リップなどを合せて400色の商品を取り揃えていますが、ユーザーが自分の肌色にあった商品が分からないと意味がありません。そこで、2021年に追加された機能が「Try Shade On」です。この機能では、バーチャルで商品を試着すことがでます。

Webサイトやアプリ上で商品を選択し、「Try Shade On」ボタンをクリックすると、ライブ写真が生成され、その商品で利用可能な色を試着できます。画面を分割し、違う色を同時に確認することや、写真をダウンロードしたりシェアしたりすることもできます。

Find My Shade

Find My Shadeは、以下の手順に沿って質問に答えていくことで、自分の肌色に合わせた商品がレコメンドされる機能です。

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Fenty Beauty』編

① 自分の肌色に一番近いモデルを選択する。

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Fenty Beauty』編

② 自分に一番似合うと思うジュエリーの色を選択する。
③ 陽に当たった時の肌のタイプ(赤くなる、黒くなるなど)を選択する。
④ 手首部分の血管の色を選択する。
⑤ 平常時の肌色を選択する。

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Fenty Beauty』編

⑥ 自分の肌色と一番近いモデルを選択する。

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Fenty Beauty』編

⑦ 自分の肌色に合う商品がレコメンドされます。

オンライン相談

Fenty Beautyでは、オンライン(zoom)でアドバイザーに肌の悩みの相談や、商品のマッチングなどを行うこともできます。

その他にも、チュートリアル、ライブチャット、ハウツーセクションなどのサポートを手厚くすることで、ユーザーが商品を購入する際に正しい選択ができるよう努めています。

4. まとめ

Fenty Beautyは、「Beauty for All」のマーケティングミッションのもと、考えられるすべての肌色を考慮し、それらにマッチする様々なカラーの商品を提供し続けています。
このような活動は、ビューティー業界を一変させたと言っても過言ではありません。今では女性だけではなく、男性向けの商品も幅広く取り扱っています。

今までのビューティー業界では、白い肌色の西洋人モデルが多く使われているのですが、Fenty Beautyでは黒人女性をモデルで使っています。最近では、男性をリップスティックのモデルに使い話題になりました。
ユーザーファーストの実現にデジタルを上手く取り入れ、今後も愛され続けるブランドとしてどのように成長していくのか注目されるところです。

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マイクロウェーブ コーポレートプランニング本部

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