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コラム

2022.07.21

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Forever 21』編

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本コラムでは、1984年設立のファストファッション企業『Forever 21』のEC成功事例をピックアップし、そのプロセスの紐解きをもとに、これからの時代のEC成功に向けたヒントをご紹介いたします。

1. Forever 21とは

Forever 21は、1984年に設立されたアメリカのファストファッション企業です。
最新のファッションをリーズナブルに楽しみたいティーンエイジャーをターゲットに、トレンドを踏まえたファッションを大量に提供してきました。
設立初年度に70万ドルを売り上げ、その後も順調に業績を伸ばして、2001年にはカナダに最初の海外店舗を展開します。
2010年にはアメリカ全土に500店舗を展開し、2015年には600店舗を超えるピークを迎え、売り上げは44億ドルに達しました。

2. Forever 21の実店舗展開の失敗

ファストファッションを代表する企業としてのForever 21の繁栄は、2017年から衰退へと風向きが変わります。

その第一の理由は、積極的(急速)な実店舗の展開(拡大)によるところが大きく、実店舗の拡大とともに自社の強みであった高品質かつ低価格での商品提供ができなくなっていきます。
商品(衣類)の品質が大幅に低下し、H&MやZARAなど同業他社への競争力を失ったのです。

コアビジネス(ファストファッション)の衰退と同時期に、他事業に注力した影響も少なくありませんでした。
ファストファッションのターゲット(ティーンエイジャー)とは異なり、全世代をターゲットにしたF21Redや韓国コスメなどのビューティーアイテムを取り扱うRiley Roseなどを展開しましたが、すべて失敗に終わります。

第二の理由は、ターゲットユーザーの行動変容です。ティーンエイジャーの購買経路がオンラインショッピングへと急激にシフトしたのです。
2017年頃からオンラインショッピングの人気が高まり、Forever 21は最新のファッションをリーズナブルに楽しむことができる唯一のお店ではなくなりました。
競合他社が実店舗の縮小とECビジネスの拡大を並行して進め、さらにECビジネスの拡大へシフトしようとする状況において、Forever 21ではオンラインショップの売り上げがわずかであったため、オンラインショッピングに舵を切べき必要性を見誤ったのです。

このタイミングで、Forever 21は実店舗での販売とオンラインでの販売の適切な組み合わせを想定するべきでした。
実際に、2018年からヨーロッパをはじめ実店舗の大幅な縮小が始まり、2019年には破産申請にまで至ります。

3. Forever 21のEC立ち上げによる復活

Forever 21は、過去の実店舗展開による失敗を踏まえて、2020年にアジア、アジア太平洋地域、カナダ、ラテンアメリカをターゲットに画期的なECサイトを立ち上げます。
ターゲットエリアごとにローカライズされたオンラインショッピング体験の提供を掲げ、Global-eのECプラットフォームとソリューションを選定しました。

Global-eのeコマースソリューションの実装で、ユーザー居住エリアでのローカル市場の特性や趣向性に基づいたオンラインショッピング体験を提供できるようになることが選定のポイントでした。
95を超える通貨、150を超える支払い方法、税金・関税の計算、21言語への対応、幅広い配送方法の選択肢、シンプルな返品プロセスのサポートが含まれます 。
ローカル市場特有のプロモーションの実行など、マーケティング戦略とビジネス目標に応じて商品の生産・在庫も調整できるようになりました。

ECサイトのUI/UXのレベルは高く、その代表的な機能の一つにAIを活用したフィルター機能があります。
この機能は、カテゴリー(Tシャツ、ブラウスなど)、スタイル(カジュアル、Vネックなど)、袖の長さ(半袖、長袖など)、色(白、ピンクなど)、サイズ(m、s/mなど)、金額($0~$100間で$1単位)でユーザーが求める商品を楽しみながら絞り込む(選んでいく=購入を前提に決定していく)ことができます。
これにより、ユーザーは検索ワードを入力する必要(ストレス)もなく求める商品にたどり着くこと(必ず買いたい商品がある状態に近いレコメンデーション)が可能になります。

Forever 21のフィルター機能を使った商品購入の流れは以下になります。
※すべてのフィルターを選択する場合を紹介しています。実際は、すべてのフィルターを必ず選択する必要はありません。

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Forever 21』編

① フィルターがかかっていない状態です。(331製品表示)

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Forever 21』編

② カテゴリー(Tシャツ、ブラウスなど)を選択します。(163商品表示)

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Forever 21』編

③ スタイル(カジュアル、Vネックなど)を選択します。(122製品表示)

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Forever 21』編

④ 袖の長さ袖の長さ(半袖、長袖など)を選択します。(90製品表示)

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Forever 21』編

⑤ 色(白、ピンクなど)を選択します。(26製品表示)

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Forever 21』編

⑥ サイズ(m、s/mなど)を選択します。(21製品表示)

【EC事例】海外ECの成功から学ぶべき未来とは?『Forever 21』編

⑦ 金額($0~$100間で$1単位)を選択します。(21製品表示)

このフィルター機能は、購入したい商品があらかた決まっている(購入を前提としている)ユーザーには特に効果的で、システム独自のアルゴリズムによってテキストの代わりにアイコンを使用し、ユーザーが商品についてどのように考えるか(気に入るのか)をシミュレートします。
AI、コンピュータービジョン、自然言語処理を駆使して、より関連性の高いレコメンデーションを提示します。

4. まとめ

Forever 21は、顧客の購買行動の変化(行動変容)に適応できなかったため、過去に大きな衰退を経験しています。
しかし、その失敗から学び、ECビジネスの立ち上げと強い推進力によって復活を成し遂げました。

現在では、Forever 21は メタバースにおけるショッピング体験の創出にも積極的で、Forever 21 Shop Cityというゲームをリリースするなど、ECビジネスを取り巻く様々なデジタル活用へと注力しています。

常にユーザーの声に積極的に耳を傾け、Forever 21ならではのアルゴリズムで、日々パーソナライズされたユーザーエクスペリエンス(特別な体験)を生み出し、アップデートを繰り返し提供し続けています。

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マイクロウェーブ コーポレートプランニング本部

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